これから歯科医師を目指す方々へ

「歯科医師過剰問題」
歯科医師を巡る社会情勢として、一番言われることは歯科医師が多すぎるということです。「歯科医院はコンビニより多い」とか「歯科医師のワーキングプア問題」などとして、マスコミを賑わすのでお聞きになった方も多いのではないでしょうか?
とまれ、こうした論調について、掛け値無しの実際の話なのですが、これから歯科医師を目指そうとする方々は、どうお考えになるでしょうか。大方は、職業安定性の面から将来の不安に繋がると思われると予想します。確かにそうです。巷に競争相手である歯科診療所が無数に存在する光景を目の当たりにするだけでも、不安をかき立ててくれます。それに輪をかけて、上記の様なマスコミの論調なのですから、不安に思うなという方が無理な話だろうと思います。

「コンビニより多いのはいけないこと?」
ではここで、歯科医院はコンビニより多いという話について考えてみませんか?
確かに統計を取れば、歯科医院はコンビニエンスストアより多いです。でも、この比較は公平なものなのでしょうか。筆者はそうは考えません。
理由の一つは、コンビニエンスストアの方が業種としては新しいというものです。歯科医院はそれこそ明治時代から存在する業種です。対してコンビニエンスストアは、半世紀の歴史もない新しい業種です。後発組の方が数が少ないのは当然のことかと思いますし、歯科医院よりコンビニエンスストアの方が多かった事実は一度たりとありません。
もし比較するなら同じ位歴史のある業種であるべきでしょう。例えば、理容美容業界です。こちらは国家資格を必要とする点、理容師美容師がほぼ1対1で顧客にサービスを提供するという業務の遂行方法も歯科医業とよく似ているます。
ただ、この業種と比較することは、誰も望んでいません。それは美容院の方が格段に多いからです。実際、町を見渡すとその段違いの数が理解できます。ところが、理容美容業界と比較してしまうと、「歯科医師が過剰であるので数を抑制すべき」という論調に逆行してしまいます。ですから、この業種とは比較が出来ないのです。

「本当に歯科医師は過剰?」
現状、人口比で考えると過剰とも言えますし、そうでないとも言えます。人口比で考える場合、たいていは世界各国との比較で検討します。この場合は、国によりますが、日本はまだ少ないといえることもある国です。ですが、医療保健制度が国ごとに異なるので一概には、多寡はいえないでしょう。ただ、歴史的に考えると、現在まで増加し続けていることから、多くなっていることは間違いないです。
そして、この業種にはご存知の通り定年というものがありません。病院勤務なら定年がありますが、 定年後に新たに開業することも出来ます。開業医は65歳で辞めてもいいし、反面、80歳まで続けることも可能なので、歯科医院はなかなか減少しません。ところが、高齢化すると単位時間あたりに診療できる患者数は自ずと減少してきますから、高齢化した歯科医院で診療できる患者数は、そうでない歯科医院と比べると少なくなります。
加えて、統計的には平成30年に歯科医師人口はピークを迎え、減少傾向に入るというデータもあります。また、歯科医師の平均年齢は現在においても60歳目前になっています。歯科医師は全体として高齢化しつつある業種なのです。
歯科医師として仕事をしている側の感覚としては、「開業歯科医」は確かに多いですが、歯科医師自体が多いかというと、疑問を感じるところがあります。

事実、勤務医を募集している歯科医院はかなり多いです。今までは一人で切り盛りしてきた歯科医院の院長の高齢化により体調面から勤務医を募集している、または勤務している女医さんが結婚で退職したり、産休に入り代診が必要となった、など枚挙に暇がありません。ところが、歯科医師はある程度経験を積むと独立開業する傾向が強いので、そこそこの技術をもったフリーの勤務医が足りないのです。
勤務医というのは歯科医師にとってはニッチな世界です。けれど、反面ライバルが少ないブルーオーシャンな世界といえるでしょう。

「まとめ」
歯科医師は過剰で将来が危ぶまれる様な昨今の論調ですが、これからは減少時代に入ります。統計上も明白です。将来は全くもってバラ色とは言いませんが、そこまで危惧することもないのではないかと思います。

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